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美術鑑賞会
「ただいまやさしき明治」

府中市美術館
2022.07.10開催

(記) 西村弘美[S56政経] 

猛暑の日曜日、府中市美術館において美術鑑賞会が行われました。コロナの影響により今年度唯一の対面集合の校友会行事でうれしさもひとしおです。懐かしさの中で30名の校友が静謐かつ豊穣な「絵の中の旅」を楽しみました。



【藪野健館長】

府中市美術館の館長は府中市在住の校友、早稲田大学栄誉フェローの藪野健名誉教授です。藪野館長のお力添えにより「孤高の高野光正コレクションが語る ただいまやさしき明治」展の作品解説を別室で聴講してからの絵画鑑賞会。まさに府中校友会ならではのスペシャルイベントでした。
「明治の絵・・ちょっと地味で難しそう・・」初めはそんな風に思っていた私ですが、意外や時間が足りないくらいワクワク面白い発見があり、解散後も残って会場を何周もしてしまいました。

これも藪野館長と担当学芸員の志賀秀孝氏のわかりやすく目からウロコの解説のおかげです。


【志賀秀孝学芸員】


  


【アルフレッド・パーソンズ〈富士山〉】

鎖国の江戸時代から近代化へ向かった明治時代。本展は開国後訪れた来日外国人画家が描く日本の景色と、外国人旅行者のお土産として描かれた無名の日本人画家の描く日本の景色との二つの柱で構成されていました。

海外に散逸してしまったそれら両方の知られざる作品を長い年月をかけて蒐集してきた実業家の高野光正氏の情熱とロマンの源を目の当たりにし、またこの企画展の開催に尽力された志賀氏の熱い思いもうかがって、時空を超えた旅にともに参加したような気分になってしまったのです。

百年前の日本の何気ない日常を描いた絵画はなんて優しく誇り高いのでしょうか。市井の人々の貧しい生活の中の底抜けの明るさはどこからくるものなのでしょうか。豊かさと利便性の代わりに現代が失ってしまったものがそこに広がっている気がしました。ドラえもんのどこでもドアを開けるように、絵の前で自由にドアを開けて明治の縁側や水辺を楽しんで欲しいという志賀学芸員の温かいお言葉にアートを身近に感じ、また現在も精力的に創作活動を続けていらっしゃる藪野館長のお姿に多いに励まされました。

藪野館長からは「ぜひ次もやりましょう!」とお言葉をいただいております。館長おっしゃるところの「絵の中の旅」またぜひ皆さんとご一緒したいと願っております。

【笠木治郎吉〈新聞配達人〉】
ZOOMの一覧表示

【参加された皆さん】

出席者(敬称略) 30名

金子 隆久(S33商)、大洞 武美(S35理工)、森島 清(S36政経)、
権平 和照(S38法)、権平 照子、水澤 忠弘(S38理工)、
寺崎 弘(S40法)、宮下 秀久(S40教育)、大野 真美(S42文)、
平井 文人(S42法)、中澤 俊文(S43法)、南 三千代(S44理工)、
山内 宗次(S45商)、山内 鈴子、尾花 敏雄(S47政経)、
古曵 享司(S47法)、村崎 啓二(S47法)、市川 千秋(S48商),
塙 敏比古(S52政経)、内藤 健吉(S53商)、内藤 祐子、
鈴木 正明(S54理工)、日比野 悦久(S54理工)、増本 寛(S56理工)、
西村 弘美(S56政経)、小村 裕(S58政経)、小村 真理、
橋本 美紀(S62文)、山上 修史(H20商)
Special thanks: 藪野 健(S44文研)